わかちあいプロジェクトで販売しているモロッコ産のアルガンオイルの原料は、これまで国際フェアトレード認証(FLO)のものでしたが、2018年よりFair For Life(フェアフォーライフ)認証 (FFL)に変わりました。FLOマークが付いていない!とびっくりされた方もいらっしゃるかもしれませんが、大丈夫、原料はしっかりとフェアトレードの基準に沿って取引されています。

では、Fair For Life認証とはどんなものなのでしょう?国際フェアトレード認証との違いは?検証してみましょう!

Fair For Life のウェブサイト

Fair For Life認証は、スイスのエコロジー団体(IMO swiss AG、the Swiss Bio Foundation)によって2006年に作られた、環境と人権を守るための基準です。2014年にはヨーロッパで有機認証を行うECOCERTに引き継がれ、2016年よりフェアトレードの基準が加わった総合的な認証システムとなりました。その名の通りすべての人に「尊厳のある生活」を求め、生産者と企業・従業員と雇用者・販売者と購入者の間のフェアで良好な関係を確立することを目指しています。
 
2つの認証区分
 
  • For Life 基準:組織に対して与えられる「企業(法人)の社会責任認証: “Corporate Social Responsibility” certification」
  • Fair for Life 基準:製品に対して与えられる「公正な貿易と責任ある調達認証: “Fair Trade and Responsible supply-chains” certification」
3つの基本原理
 
  • 人権とフェアな労働条件の遵守   Respect human rights and fair working conditions;
  • 環境と生物多様性、持続可能な農業 Respect ecosystems and promotion of biodiversity, sustainable agricultural practices;
  • 地域のインパクトを向上し尊重する Respect and betterment of local impact.
 

他のフェアトレードの仕組みとの違いは?

 現在世界で最も広く認識されているフェアトレードの制度には、製品に対してつけられる国際フェアトレード認証(FLO)と、団体が加盟する世界フェアトレード連盟(WFTO)がありますが、Fair For Life認証は、それらの問題点に対応するオルタネティブな社会的認証となっています。プログラム基準は、FLO認証基準とISEAL基準を元にして設定されていますので、国際フェアトレード認証が持つ「フェアトレード・プレミアム」などの特徴も持ち合わせ、他の環境や人権保護の認証がもつ基準も網羅されています。
 
 
国際フェアトレード認証(FLO)は、対象となる産物が限られており、比較的大規模な企業や、しっかりとした運営基盤をもつ生産者団体が参加する認証となっていることが、強みでもありネックでもありました。そもそも国際フェアトレード認証が作られた背景には、大手企業による搾取から生産者を守り、国際的な貿易システムに立ち向かう、ということがありました。対象産品は、当初は国際市場で流通する産物を視野に作られたため、コーヒーや砂糖、バナナ、コットンなど、流通量の多い産物が主になっています。製品が認証を受けるには、生産者が組織化した生産者団体に加盟している必要があり、フェアトレードによる利益が生産者団体に渡ることで、地域全体が恩恵を受けるような仕組みです。また、国際フェアトレード認証のマークを製品につけるためには、小売価格の1%をフェアトレード機構へ支払わなければなく、販売者の負担にもなっています。
一方で、FFL認証では、対象となる生産物・製品に制限を設けていません。農産品や原料、複数原材料からなる製品、広い範囲の手工芸品など、認証を受けることが可能です。これは、認証団体のECOCERTが、有機認証の分野において、長い認証の歴史と広いネットワークを持っているからこそ実現したシステムです。また、FFL認証を受けていれば、認証マークを無料でつけることができます。
 
世界フェアトレード連盟(WFTO)は、WFTOが定める10の指針と約100の基準をクリアした団体が加盟する制度であり、生産者やフェアトレード団体のネットワークとなっています。そのため、一般の企業が参加することはなく、産品は手工芸品が主となっており、加盟団体の多くを途上国の生産者が占めています。また、基準の達成度については外部組織による監視がなく、自己申告の努力目標である点が課題と言われています。
一方でFFL(FL)認証は、組織化していない小規模生産者でもモデルに参加することができるほか、生産に直接携わらない先進国消費地の販売者も加盟することができます。そのため、より多くの生産者・販売者が参加することができます。また、認証の監査は独立した第三者組織によりしっかりと行われます。
 
FFL認証には、アフリカや南アフリカ、アジアなどの生産者と、北米やヨーロッパなどのメーカー・販売者が参加しています。認証を受けた製品は、アメリカ、フランス、ドイツ、イギリス、オランダなどの国々で3000以上の商品が流通しています(2018年現在)。まだ他のフェアトレード認証ほどの広がりはありませんが、特にECOCERTから有機認証を受けている団体にとっては、オーガニックに加えて「フェア」の認証を得られるため、今後の普及が期待されます。
 
 

 わかちあいプロジェクトの商品

 
 
●原産国:モロッコ
●加工国:日本
●内容量:60ml
●コールドプレス製法
●取得している認証:原料=fair for life認証、ECOCERTオーガニック認証
 
 モロッコ南西部のスース川流域の主要地域であるアガディールから15キロほど離れたところに、Tighanimine協同組合があります。ここでは、50人の女性達が働いています。女性の力で地元の人々の社会経済的状況をより良くしていくこと、国内外でのアルガンオイルの価値を高めること、非識字者を減らし、仕事に就くために必要な資格を取るよう女性たちを支えることを目指しています。
 
 
  
 
 
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