今年6月1日から11日の間に募集した第23回古着支援プロジェクトでは、目標を大きく上回る11,355箱 の古着が集まりました。
また、6月末まで に、1,681万円のご寄付をお寄せいただきました。たくさんのご支援ご協力に、わかちあいプロジェクト一同心よりお礼申し上げます。古着の輸送先について、以下のとおり報告いたします。
1.タイのミャンマー難民キャンプへ40FTコンテナ12本分を送ります。
2.ヨルダンのシリア難民への支援がキャンセルされました。
3.新たにタンザニアの難民キャンプを支援します。
 

1.タイのミャンマー難民キャンプへ向けて出港しました

7月9日(木)、集まった古着を載せた12本の40FTコンテナの乗る船が
タイのミャンマー難民キャンプへ向けて、東京港からバンコクへと出港しました。
7月下旬にバンコクに到着後、厳しいチェックの後、
受入れ団体The Border Consortium(TBC)に受け取られます。
現地政府との調整を行い、通関を受けた後、一旦TBCの倉庫へと送られ、
タイのミャンマー国境にある9つの難民キャンプへ分けられます。
難民キャンプには様々な民族の人々が暮らしていますが、
77%はカレン族、11%がカレンニー族、残りがビルマ族やモン族など、様々な民族となっています。
8月から11月にかけて、約11.9万人の難民の人々へ1枚づつ配られます。

今年10月には、わかちあいプロジェクトから現地へスタッフが行き、
古着の配布に立ち会う予定となっています。

 

タイ・ミャンマー国境の難民キャンプマップ

▲タイ・ミャンマー国境の難民キャンプマップ(▲が難民キャンプです。)
 

2.ヨルダン・シリア難民への支援中止について

わかちあいプロジェクトでは、ヨルダンに避難しているシリア難民へ
古着を送るため輸送の手配を進めていたところ、
現地のパートナー団体 The Lutheran World Federation (LWF)ヨルダン事務所より、
受入中止の連絡を6月下旬に受け、それを受諾しました。

その背景には、昨今、ヨルダンでシリア難民支援活動を実施する多くの国際NGO
が集まる会議の中で、古着支援が大きな課題として取り上げられたことがあります。
物資受け入れ手続きの煩雑さや、物価の高騰、難民への配布の困難さと、
現地での受け入れに様々な課題が上がったのです。
わかちあいプロジェクトでは、シリア難民への古着支援を昨年同様に計画し、
現地パートナーのLWFと協力してきましたが、
今の状況では古着の支援を受け入れることが非常に難しく、
最終的に、断念せざるをえないと連絡がありました。
ご寄付いただいた皆様には、何とぞご了承いただくようお願い申し上げます。

わかちあいプロジェクトでは、LWFとの協力と、ジャパン・プラットフォームの助成のもと、
今後も引き続きヨルダンのシリア難民を行ってまいります。
昨年の衛生物資の配布に続き、現地からの要望を受けて、
今年は食糧や生活用品を購入できる物資クーポンの配布を計画しています。
物資クーポンは、難民がそれぞれにとって必要なものを自分で手に入れることができるほか、
現地の市場において経済を流動させ、雇用を生み出すなど、
難民の自立につながる取り組みとなっています。

 
 

3.支援地の変更・タンザニアの難民キャンプを支援します

わかちあいプロジェクトでは、ヨルダンへ送る予定であった古着コンテナ1本分の衣類の
受入れ先を募ったところ、過去に支援実績のあるタンザニアの
Tanganyika Christian Refugee Service (TCRS)から古着支援の希望があり、
届けることといたしました。

タンザニアでは、ブルンジやコンゴなどの隣国から多くの難民を受け入れています。

また、TCRSによると、2015年7月のブルンジ大統領選挙により、不安定な状況となっており、
毎日千人もの人々が国境を越えようとしているなど、悲惨な状況が続いているそうです。

▼タンザニアのニャルグス難民キャンプの現状(AFPBBフランス通信社)
 

TCRSでは、各国の支援団体や国際機関から物資を得ていますが、
増え続ける難民を受けて、備蓄品がなくなりかけており、古着の寄付を歓迎するということです。
日本からの古着は、タンザニアの港町ダルエスサラームに向けて7月25日に出港し、
8月下旬に到着する予定となっています。

わかちあいプロジェクトでは1997年より、タンザニア難民の支援を送ってきました。
古着支援のほか、ボランティアで人材を派遣して、難民キャンプの運営や設備の整備、
人権教育や法律(条約)整備など、様々な活動を支援してきました。
>> タンザニア難民支援について

引き続き、古着支援の進捗状況を報告してまいります。