フェアセレクトで2022年に初登場したLanna Cafe 焙煎コーヒー、どんなコーヒーなのか気になっている方もいらっしゃるのでないでしょうか。今回は昔を遡ってわかちあいプロジェクトとタイ山岳民族コーヒーとのつながりをご紹介いたします!

タイのコーヒー栽培の始まり

コーヒーの生産地といえば、ブラジルやコロンビアなどの南米や、エチオピアやタンザニアなどのアフリカが思い浮かぶかと思いますが、アジアでもスマトラをはじめ多くの国々でコーヒー豆の栽培が行われています。赤道直下の南北25度にまたがるコーヒー栽培に適したエリア「コーヒーベルト」にタイも位置しており、タイ南部で栽培されているロブスタ種は生産量もとても多いんです。

ただ、今回ご紹介するのはタイ北部、山岳に住む民族が育てているアラビカ種のコーヒーです!
元は、タイ北部とラオス・ミャンマーの国境地帯で栽培されていた麻薬・ケシの代替作物として、コーヒー栽培を進める王室プロジェクトが70年代より行われたそうです。ケシの栽培には、焼畑農業が行われるため環境破壊につながってしまうものの、山岳民族が暮らしていくためにはその収入に頼らざるをない状況にありました。タイ王室は、この地域の森林と人々を守るため、コーヒー栽培を推進したのです。そして1988年にはチェンライにて、日本でも知られている王室コーヒー「ドイトゥンコーヒー」プロジェクトが始まり、コーヒー栽培による森林保護や山岳民族の支援が行われました。

タイ山岳民のコーヒー生産者

タイ山岳民族の一つ、カレン族の華やかな民族衣装。

わかちあいプロジェクトとタイ山岳民コーヒーの出会い

時は同じくして1989年、わかちあいプロジェクトの代表・松木は日本キリスト教協議会のツアーでアジア各地を回っておりました。松木はチェンマイに立ち寄った際、神学校の先生から「村の教会員が貧困のために娘を売っている」という話を聞いて衝撃を受け、山岳民族のために何かできないかと考えました。その後、チェンマイから北西70キロ山岳に入ったカレン族のボウゲオ村を訪問した際に、民家でコーヒーを乾燥させているのを見て、コーヒーをフェアな値段で買うことによって貢献できないかと考えるようになりました。

その後、知り合いを通じて、この地で麻薬患者の更生施設を運営するかたわらコーヒー栽培を推進していた、アメリカのバプテスト教会の宣教師リチャード・マンさんと出会いました。リチャードさんは、タイのコーヒー生産のパイオニアとして知られており、タイ山岳民族が自立して暮らせるよう尽力されておりました。その働きは、息子のマイク・マンさんに引き継がれ、1990年にタイ山岳民族のためのNGO・Integrated Tribal Development Program (ITDP)を設立しました。彼の指導のもとでタイ山岳民族のコーヒー栽培は起動に乗り、タイ国内やアメリカで広く販売され、日本のわかちあいプロジェクトへも1997年4月に最初のタイのコーヒー生豆1トンが届きました。

▶ わかちあいプロジェクトのタイ山岳民コーヒープロジェクトについて詳しくはこちら

タイ山岳民のコーヒー

1997,8年最初にタイ山岳民のコーヒーを売り出したとき、山岳民の多くがバプテストの教会員であることもあって、教会のコーヒーという名前で売り出していました。

チェンマイのコーヒーショップ Lanna Cafe の設立

その後も1998年から2000年にかけて、わかちあいプロジェクトは16.3トンもの生豆を輸入しましたが、日本では当時タイコーヒーの知名度がなく、価格が高めであったことから、日本で販売することが難しく、仕入れが止まってしまいました。そこでわかちあいプロジェクトは、日本ではなくタイ国内での市場開拓に貢献できないかと考え、チェンマイにコーヒーショップを設立することにしました!2001年1月、わかちあいプロジェクト代表の松木とスタッフ1名、ボランティア1名の計3名で、日本から小型のコーヒー焙煎機、コーヒーグラインダー、コーヒーのパッケージ袋、シーラーなど、持てるだけの機械類と材料を持って、タイに入国したのです!紆余曲折を経て、そうしてできたコーヒーショップがLanna Cafeです!当時タイでは本格的な焙煎コーヒーやプレスコーヒーがまだ珍しく、Lanna Cafeはチェンマイのコーヒーブームの火付け役を果たしました。その時に届けた日本製の機材の多くは、今も大切に Lanna Cafe で使用されています。

▶ Lanna Cafe ってどんなところ?2015年の訪問ブログはこちらから

Lannacafe外観

アジアンな雰囲気漂うタイ・チェンマイ郊外のLanna Cafe 外観(Lanna Cafe:169/1 moo3, San Phi Sua, Muang Chiang Mai THAILAND 50300)


LannaCafe焙煎所

Lanna Cafe裏に併設されたコーヒー焙煎所では、いつもコーヒーの良い香りが漂っています。コーヒー豆ひとつひとつを目で確認しながら丁寧に焙煎しています。


Lannacafeコーヒー商品

コーヒーを入れている袋は日本製で、今もわかちあいプロジェクトからタイへ直送しています。こちらの商品ラベルはリニューアル前のもので、販売中の商品とは異なっています。

タイ山岳では、現地NGOのITDPの活動によって高品質のアラビカコーヒー栽培ができるようになり、今では40以上の村がコーヒープロジェクトに参加して、コーヒー栽培により収入を得ることができるようになりました。一方でその広がりにより、フェアトレード生産者組合を組織することが難しく、国際フェアトレード認証の取得には至っていません。しかしながら、タイ国内のほか、ITDP創設者の出身地である本国アメリカにおいてコーヒーのマーケットを確立し、スターバックスでもタイ山岳民のコーヒーとして販売されています。

スタバも認めるクオリティ!待望のLanna Cafe コーヒー再輸入!

わかちあいプロジェクトが日本でタイ山岳民のコーヒーを販売したのは、2007年。それからなんと15年ぶりの輸入になります。今回は限定販売の商品ですが、過去のタイ山岳民コーヒーを知る方々をはじめ、タイコーヒーのファンの方など、たくさんの方から好評をいただいております。

久しぶりにLanna Cafeのコーヒーを口にした代表の松木は、コクのある美味しいコーヒーだと喜んでおりました。ぜひ一度、タイ山岳のコーヒーの味をお試しください!

4種類の味のLanna Cafe コーヒー、どれを選ぶ?

Lanna Cafe の タイ山岳民コーヒーは、わかちあいプロジェクトのオンラインショップ Fair Select (フェア・セレクト)にてお買い求めいただけます。
▶ Lanna Cafe コーヒーのラインナップ一覧はこちらから

タイ風に楽しみたい方は、深煎りのエスプレッソ

タイに旅行した時にコーヒーをオーダーして、その濃さに驚いた方もいらっしゃるかと思いますが、タイでは一般的にがっつり濃~いコーヒーに、お砂糖とミルクをた~っぷり入れて飲むのが好まれています。そんな飲み方をしたい方におすすめなのは、エスプレッソ。深煎りにしたアラビカ種のコーヒーは、酸味が少なく、チョコレートのような風味が楽しめます。
 

フルーティーで飲みやすいコーヒーがお好みの方は、フルシティー

フルシティー・フレッシュ焙煎は、繊細でフルーツティーのようなさわやかな後味が特徴です。あっさりしているので飲みやすく、アイスコーヒーにしても美味しくお飲みいただけます。
 

マイルドでまろやかなコーヒーがお好みの方は、クラシック

クラシックは浅煎りでナッツのような味わいが特徴で、かすかなドライフルーツの風味が楽しめるコーヒーです。苦みも酸味も強いのは苦手・・という方におすすめな、まろやかな味です。
 

迷われた方には、バランスのとれたブレンドを

ブレンドは、ミディアムローストでバランスの取れた味わいで、ほのかに甘い後味が特徴です。
味に迷われた方はまずこちらをお試しください!