わかちあいプロジェクトでおなじみの、リードバスケットに入ったグリーンラベルの紅茶、セイロン有機ウバティー。長年のベストセラー商品で、今も多くの方にご愛飲いただいておりますが、そんなウバティーを初めて輸入したのが、今からちょうど30年前、1992年の8月です。
たくさんの方に支えられて、発売から30周年を迎えることができたこと、心より御礼申し上げます!

わかちあいプロジェクトにとって、このフェアトレード&オーガニック ウバティーは「はじまりの紅茶」です。今回は、この紅茶と、わかちあいプロジェクトのはじまりについてご紹介いたします!

わかちあいプロジェクトの始まり~ウバティーとの出会い

わかちあいプロジェクトの創設者であり現代表理事の松木は、1992年当時、東京墨田区にある日本福音ルーテル聖パウロ教会で牧師をしておりました。ちょうどその頃、ルーテル教会が日本へ伝道されて100年とのことで、牧師さんの海外研修プログラムが開催され、1ヶ月に渡り欧米諸国の国際協力団体を訪問しました。

90年代初頭のヨーロッパは、ちょうどフェアトレード運動が始まった頃で、教会をはじめ様々な支援団体が与えるだけの援助ではなく、途上国の自立と発展に取り組もうと、活動を始めている時でした。途上国の貧困削減のために、従来のお金や物資を提供するだけの支援を超えて、現地で生産したものを購入することで、生産者の自立につなげようという、というフェアトレードの考えが広まっていったのがこの頃です。
日本では少しイメージしにくいかもしれませんが、欧米では従来から熱心な途上国支援活動を行っていたキリスト教会のネットワークがあり、フェアトレードの考えが生まれ広まったのも、キリスト教会の繋がりによるものです。フェアトレードで有名な、イギリスのTraidcraftやTwin、ドイツのGEPA、オランダのfairtrade original、それにわかちあいプロジェクト、各国のフェアトレードラベルの導入に携わったのは、いずれも教会に起点がある団体でした。

1992年2月、ルーテル教会牧師の研修旅行でドイツのシュトットガルトに立ち寄った松木は、お店でドイツのフェアトレード団体「GEPA(第三世界との協力促進協会)」のスリランカ産紅茶を買いました。そして日本にも輸入できないかとGEPAに相談したところ、スリランカの紅茶を扱う商社スタッセン社を紹介してもらい、輸入をすすめました。そして1992年8月に最初のセイロンウバティーが日本に届き「わかちあいプロジェクト」の名前で販売しました。それが現在のわかちあいプロジェクトのはじまりです!

フェアトレードのはじまりとしてよく取り上げられるのは途上国の手工芸品ですが、なぜ、はじまりが「紅茶」だったのでしょうか。
「一回買ったら終わりになる手工芸品でなく、継続して購入できる消費財がいいと、紅茶を選んだ」と松木は言いました。

毎日新聞さんが掲載してくれて、記事を読んだ多くの方が購入してくれたそうです!(1993年1月24日)

スリランカ・イダルガシナ茶園のフェアトレード

わかちあいプロジェクトが最初に輸入した紅茶の生産地イダルガシナ茶園では、スリランカの大手商社スタッセン社が、ドイツのフェアトレード団体GEPAの協力の下で、80年代中期より実験的に有機栽培とフェアトレードの指導がなされていました。1987年には世界で初めて紅茶の有機認証を取得していました。当時は有機栽培はまだめずらしく、人体や環境に有害のある農薬を使用していないこの紅茶は、欧米でも多くの方に受け入れられたといいます。また、有機栽培だからこその美味しさがあり、まろやかでコクのある紅茶として、日本でも大変好評をいただいたそうです。

紅茶が日本に届いてから1年後の1993年夏、松木は初めてスリランカの茶園を訪問しました。茶園の労働問題と環境問題への取り組みが始まっていたものの、当時はまだ環境が十分に整っておりませんでした。最初の課題は、茶園の長屋にトイレを設置することでした。トイレがなければ、女性は草やぶで隠れて用を足さなければならず、レイプなどの危険もありますし、環境にも悪影響があります。日本では当たり前のように設置されているトイレが、茶園には十分に整備されていなかったのです。有機栽培のコンポストも十分に整備されていないようでしたし、子供たちは学校には行けずにぶらぶらしていました。改善すべき課題は山ほどあり、フェアトレードの必要性が求められていました。

その後もわかちあいプロジェクトは、GEPAをはじめとする欧米のフェアトレード団体とともに、イダルガシナ茶園の紅茶をフェアトレードで購入し続けました。イダルガシナ茶園は、1994年にドイツのフェアトレード認証を取得しました。日本では1993年にフェアトレード認証機関を立ち上げた後、メキシコ産コーヒー「カフェ・マム」に続く2番目のフェアトレード認証製品となりました。

そして茶園では、地域コミュニティの生活改善のためのプログラムを続け、トイレのほか住居の整備や、医療を受けられる診療所、学校や保育園などが整備されるようになっていったのです。その後、2006年に松木が再訪問した際には、完備された有機栽培のための施設に加えて、保育園6校、診療所3箇所、コンピューター学校などができており、医者、看護婦、保育士など70名以上のスタッフが、お茶園の住民2300人のために働いていました。お茶園全体が整い清潔で、皆さん明るく、自信に満ちていました。
【wakachiai.jp】イダルガセナ紅茶園レポート(2006/8)へ

今では、スリランカの中央山岳地帯の南東部ウバ州の、ホートンプレインズ国立公園のちょうどふもとに、350ヘクタールにもわたるイダルガシナ茶園が広がっています。

継続の理由はずばり味!フェアトレード有機ウバティーの魅力

 

発売から30年もの間にわたり継続できたのは、何よりこのフェアトレード有機ウバティーの美味しさがあってこそだと思います。教会での販売から始まって、人づてに広がり「美味しいと勧められて買ったら、オーガニックで、フェアトレードだった」とよく言っていただきました。フェアトレードで茶園の支援になるから買うという方がいらっしゃることはもちろん嬉しいですが、味を気に入って継続いただけることは、何よりの誇りであります。

「紅茶の女王ウバは、いちどつきあっていただければ、その性格のよさがわかろうというもの。穏やかで親しみやすくけっしてへたらない気品の高い味わいは、幅広い年齢層にうけています」(松木)

味の特徴としては、ボディのしっかりしたコクのある味わいで、渋みが少なく、優しくまろやかな甘味が口の中に広がります。和食とも洋食ともよく合う落ち着いたアロマで、食事中にも食後にもお飲みいただけます。

もっとわかりやすく言うと、一度飲むと「あ、美味しい~毎日飲みたい~」と思う味です!
ストレートで飲むとウバの爽やかな風味が感じられますので、ホットで飲むのはもちろんのこと、夏は麦茶代わりにアイスティーとして冷蔵庫に常備するのもいいです!ティーバッグひとつでしっかり味がでますので、ミルクをいれてミルクティーにすると、ほっこり癒される味をお楽しみいただけます。

手編みのリードバスケット(かご)も魅力の一つ

わかちあいプロジェクトのフェアトレードセイロン有機ウバティーの忘れてはならない特徴が、手編みのリードバスケットに入っていることです。よくフェスティバルなどのイベントや、販売会にお伺いすると、「かごいりの紅茶知っています~」とお声がけいただきました。

このリードバスケットは、タラと呼ばれるヤシのような木の若葉を使って、一つ一つ手編みで作られています。バスケット作りは、茶園の近くのタバデニア村の女性たちにとって、貴重な収入源にもなっています。

紅茶を飲んだ後にも、小物入れとしてご利用いただけるので、お家の色々なお部屋で使っていると言っていただいたこともありました。実はわかちあいプロジェクトの事務所でも、ペンや文具をいれたり、小物の商品サンプルをしまったりして使っています!

多い時にはティーバッグ25袋入り、50袋入り、100袋入りと、リーフティー100g入りと250g入りのそれぞれバスケット入りで販売をしていましたよー!

 

発売30周年記念のウバティー好評販売中!(カートへはこちらから)

その他のフェアトレードセイロン有機ウバティーは