計300ドル(約33000円)をカラゴキャンプに寄付して、マイクロプロジェクトをスタートさせた。
内容
現金収入を得るためのマイクロプロジェクトを難民が始められるように300ドルを難民のグループに寄付した。以下のマイクロプロジェクトがTCRSの指揮の下、難民自身の主導で動き始めている。
@パン屋
対象:子供を多く持ち(5人以上)、かつ夫をなくした女性(12人)
金額:150ドル
※寄付金はパン焼きがま、料理器具、最初数回分に使われる。以後、拡大再生産する予定。
Aアヒル・ウサギ繁殖
対象:孤児(11人)
金額:60ドル
※つがいのアヒルとウサギを与え、繁殖させる。2匹受取ったものは4匹を繁殖させて他の孤児に配らなくてはならないという計画になっている。
B自転車修理
対象:自転車修理の技術を持っているもの
金額:90ドル
※もともと、キャンプ内には個人で修理している者がいるが材料を買うお金がなく、修理工も自転車を使う難民も困っている(自転車はUNHCRから、ごくたまに難民に寄付される)。寄付は材料費に。
動機及びそれぞれのプロジェクトを選んだ理由
キャンプでは食糧配給は徐々に減りつつあり、ひどければ2日に一食しか食事にありつけない状況である。仕事をすればよいかというと彼らはキャンプから出ることはできず、かつキャンプ内では耕作する土地もなく、何かを始める資金もない。そして、難民キャンプの一番の問題点はやることがないことであリ、それにより犯罪も増えていく。
そこで、現金収入を難民に得させ、彼らにやることを与え、技術を身につけさせるべく既にいくつかのNGOが5つあるキャンプでマイクロプロジェクトを展開していた。そのマイクロプロジェクトは、パン屋、ハンディクラフト制作、大工、石鹸作り等であった(写真参照)。
しかし難民は続々流入し、新しいキャンプができ、既存のNGOの取り組みは一部の難民の生活を支えるに過ぎない。問題は資金難である。
私は私の寄付可能な範囲の金額でも何かプロジェクトを始めることができるということを知る。そこで、300ドル寄付するに至ったのである。
できるだけ弱者を救いたいという観点から、一番最近建設され、まだ難民の受け入れを行なっているカラゴキャンプでの支援を選んだ。そしてその中でも、最も支援を必要としている人々ということで対象を絞る。
また、材料をキボンド周辺から手に入れられるか、キャンプ内での必要性、商品の市場がキャンプ内にあるか、高度な技術を必要としないか、継続性があるか等々の観点から、以上の三つのプロジェクトを選んだ。
経過
私は2週間にわたり何のプロジェクトを開始するかを決定するために、5つあるキャンプを調査した。難民キャンプ外の市場との競争や(そんな大げさなものではないが)、材料の価格と収入の関係、誰が技術を教えるか等々、たくさんの疑問を既にプロジェクトを行なっている他のキャンプの難民やNGOの人に聞いた。また、何人の難民をプロジェクトに参加させるか、誰がプロジェクトにかかわる難民を指揮するかということも計画した。
そして、三つのプロジェクトを決定、TCRSに300ドルを寄付。難民に直接現金を渡すと他のことに使ってしまうので、材料を買って渡す。私の滞在中にはアヒルを買うというところまでしかできなかった(写真参照)が、最近の現地からのメール報告によれば、自転車修理工は建物を完成させ、材料を近くの町まで買いに行くべくタンザニア政府からキャンプ外出許可を得たということであった。また、今月末に孤児にウサギも支給するということであった。
感想
日本ではほとんど寄付などしない私であるが、死にそうになって困っている人が目の前にいると寄付の三万円など全く気にもならない。日本での寄付は自分のお金が本当に役に立っているのか、本当に困っている人がいるのか、どのくらい困っているのかそれが実感できないからあまり集まらないのであろう。
たった3万円で、何10人の人が助かると思うとワクワクした。お金持ちってすごくいいことだ!と実感。悲しいかな、何を置いてもやはりお金は重要である。
定期的に報告が送られてくることになっているので、今後どう発展していくか、楽しみなところである。