わかちあいプロジェクト

キボンド難民キャンプボランティア派遣 報告書

古着の支給

概要

難民キャンプにはカナダ、アメリカ、ヨーロッパ等から古着が送られてくる。日本からもわかちあいプロジェクトで今年の6月古着を現地に送っている。その古着の一部が8月の上旬にキボンドに届いたのでその種類分別を手伝い、そしてその配給を視察した。

古着は女性・男性・女の子・男の子と分別し、それぞれ別々に麻袋に分けられ、数を確認して、一定程度数が集まったところで支給する。1キャンプが4万人もいるキャンプでは、全員を対象にする支給をするには数がそろうまでかなりの期間待って、準備せねばならず、なかなか全体支給は難しい。そのような場合には障害者のみであったり、学校の生徒だけであったり、一部のもののみを対象とした特別な支給が行なわれる。

私は全体を対象とした古着の配給に立ち会うことができた。

ちなみに、古着の分別はTCRSのタンザニア人スタッフひとりが指揮をとり、難民を雇って行なわれたが一日の給料は、60円程度。現地では卵3つ、バナナ2房といったところが一日の給料であった。

また、かれらに何枚服を持っているかと聞いたところ、長くあるキャンプからの女の子は「スカート2枚に、シャツ6枚」と答えたが、新しいキャンプのものは着の身着のままであるということだった。

問題点

日本から、ダルエスサラームまで古着をほぼ地球一周を運ぶのは1ヶ月くらいである。しかしダルエスサラームからキボンドまで(雰囲気的には東京から沖縄くらいのイメージか)その古着を全部運ぶには3ヶ月以上かかるのではないか…。何で、もう国内にあるのに、キボンドまで届かないんだ!…とても歯がゆく思った。 

それは、TCRSのトラックが3台しかないからであり、道路ががたがた道ですぐにトラックも痛んでしまうからであり、お金がないから他のトラックも雇えないからである。難民達は古着をいつでも欲していて、日本では古着を集めればすぐに集まる。しかし、問題はそう簡単ではなく、日本からの古着の支援にしても輸送費をもっともっと集める等方法を考えなくてはならないなと考えさせられた。(今は、日本からタンザニアの港までのお金をわかちあいで集めているがそれですら400万円以上かかっている)。

国際人権NGOに手紙を書こう!

内容

世界に数ある人権NGO・緊急援助NGOのなかで、ブルンジ難民について取り扱っているNGOの連絡先リストを配布した(キルンディ語)。自分の状況をキャンプ外に訴えたがっている難民達に、実際に自分達の問題点を国際社会に訴えるべく手紙を書くように勧めた。(資料参照、キルンディ語及び英語のものを添付した)難民には手紙を送るお金もないので、彼らの書いた手紙を投函した。

動機

難民達は、自分達の問題点をキャンプ外に訴えたがっている。しかし、UNHCRの職員もそれ以外のNGOの職員も、時間や人手の問題でなかなか彼等の声をじっくり聞くということはできないし、ときに声を拾い上げようという態度を有しないことすらある。難民達が自分の情報を国際社会に訴えたいという望みについては、訴え先が彼らにはわからず大変困難である。

逆に、キャンプの外の国際社会、例えば日本では難民を助けようとタンザニアの情報を得ようと努力してもこれまた困難である。アフリカの状況は先進国からは遠すぎて、全然伝わらないというのが実感だった。(アフリカは暑いと思っている方、タンザニアでは暑くないところが半分くらいなのでは?さむくて風邪を引いたこともあったくらいです。こんな簡単なことでも情報は伝わりにくいのです。)

私が日本でかかわっている人権NGOアムネスティ・インターナショナルでは手紙書きが重要な人権活動である。すなわち、人権侵害が起こっている地域の政府やら人権侵害の加害者達に「人権侵害をやめよ!!」という膨大な量の手紙を世界中から送りそれで人権侵害を止めさせるのである。この活動にヒントを得た。

難民を助けたいと思っている人は世界中に少なからずいる。しかしその情報はなかなか入らない。難民自身が情報の発信源になり、状況や問題点の詳細までを国際社会にアピールすることが双方にとって助けになるのではないか・・・。そう考えて添付した国際人権NGOのリストを作り、難民達に配ったのである。

結果

難民達は、自らの声を国際社会に届かせるべく、たくさんの手紙を書いた。私はそれを受取り、日本に帰ってから投函した。今も何人かの難民が手紙を書きつづけているかもしれない。

これらの手紙により、難民の生活が飛躍的によくなるということは全く考えていない。

しかし、ちょっとした活動がいつしか大きな波となってほんの少しの進歩でも見られれば、と思っている。彼等の手紙のうち一通と、ある難民が書き私のタイプした彼の今までの略歴を資料として添付しておく。

難民に代わってUNHCRに交渉をする

カナダに移住した家族の下に行きたい。学校に行きたい。病気なのでキャンプの外に行って治療を受けたい。・・・難民達の切実な願いは限りない。

しかし難民達の声は日々の業務に追われるUNHCRスタッフ(特にタンザニア人スタッフ)には届かない。

難民達は少しでも生活を向上させようと必死で解決案を探し、少しでも役に立ちそうな手段は全て試みる。

私の姿をみると、たくさんの難民達が集まり、彼等の問題点を話し、UNHCRスタッフ等に話してくれと懇願する。私にできることはほとんどないに等しいが、一人しかいない日本人から頼むのとウン万といる難民の一人が頼むのでは相手方の反応は全く違う。何人かの難民の願いをUNHCRスタッフに伝えた。手紙を書いたり(難民からの手紙はUNHCRスタッフは封も切らないだろうが、私が書けば、少なくとも読むことはする)、一緒にお茶を飲んでいるときに何気なくアピールしたりした。

手紙を出す

難民には手紙を出すお金がない。彼らに頼まれて50通近くの手紙を投函した。FaxやE-mailもしかりである。