大豆の自給率は25%で海外産が75%を占めています。
FTsoybeanサラダ油などの原料となる油糧用を除いて食品用に限ると、自給率は25%になります。大豆全体の自給率は8%にしかなりません(2012年)。国産の大豆が優先されるべきですが、海外産が75%を占めている今、フェアトレード大豆を使う意味がそこにあります。
2012年度の国内の需要量は約304万tで、うち国産大豆は約23万です。国産大豆は種子用(7,000t)を除くと、全量が食品用であるため食品用(需要量約93万トン)の自給率は高くなります。2012年度における食品用大豆の需要量は93.2万t、そのうち国産大豆は22.9万t、輸入大豆が70.3万tとなっています。
近年、日本へのアメリカからの輸入は減少傾向で、ブラジルからの輸入が増加しています。世界における2012年生産量ベスト5は(1)アメリカ(8,205万トン)、(2)ブラジル(6,570万トン)、(3)アルゼンチン(4,040万トン)、(4)中国(1,280万トン)、(5)インド(1,150万トン)となっています。
フェアトレードという言葉が日本でも普及してきていますが、大豆などの豆類にもフェアトレードの基準が設定され、生産者もその基準に基づいて、第三者機関であるFLO認証会社の専門査察官によって認証され、輸入業者や販売業者も監査される体制がつくられています。
国際フェアトレードラベル付きの商品を購入することで、消費者は安心・信頼してフェアトレード商品を購入すること ができます。その点、国が定める有機栽培のJAS認証制度と類似しています。有機栽培についても、民間の運動としてはじまり、不明確でまぎらわしい表示から消費者を守るために国がJAS規格を定めた経緯があります。
フェアトレード大豆の国際基準(2012年現在)
①生産者への価格の保証
最低買入れ価格: EXW(輸出用に準備される前の状態) トン当たり 510ドル(実際の取引では倍以上の値段です)
②フェアトレード・プレミアム(奨励金):1トン US$ 50ドル 現地港渡し価格(FOB)の10%前後が、フェアトレード・プレミアムとして通常の支払いと別に、生産者の代表グループ(Joint Body)に支払われます。ちりも積もれば山となるで、毎月開かれるその委員会で生産者自らが計画を立てて、生産者の生活向上、教育や社会基盤の整備などに使います。子供の教育プロジェクトなど、地域開発に使われています。
③生産者の社会的な発展の保証
生産者組合が透明性のある、民主的な活動をしている 役員選挙や議決のプロセスなど利益の一部が社会的発展事業のために運用される 福祉や学校建設等
④生産者の経済的な発展の保証
生産者が輸出入基準を満たしている利益の一部が経済発展の活動に運用される
⑤生産者の労働環境と労働条件の保証
・遺伝子組換え作物の禁止
・ILOに準拠した安全な労働環境
・強制労働と児童労働の禁止
・労働者が団体交渉権を持つ
・生産地の環境保全の保証
・薬品使用、水質保全、森林安全、土壌保全、廃棄物の扱いに関して国際規約を遵守
・大豆を原料として作られる味噌や醤油などの場合は、以下の複合商品の基準が適応されます。
複合商品のフェアトレード基準(FLO)
● 50%ルール:フェアトレード基準が設定されている産品を材料とする場合、FT材料を使用すること。FT 材料の総重量が製品総重量(乾燥状態)の50%以上でなければならない。ただし、水、乳製品は製品総重量には含まれない。
● 20%ルール :フェアトレード基準が設定されている産品を材料とする場合、FT製品を使用すること。 製品の主成分であるFT材料が、製品総重量(乾燥状態)の20%以上でなければならない。
中国内モンゴル自治区産
生産者グループ名:Jurihe/ Zhaluteqi Farmers’ Association
2009年に中国吉林省のDunHua Dewei Organic Products Companyが世界で最初のフェアトレード認証大豆輸出業者として登録されました。大豆の生産者グループは、内モンゴル自治区Jurihe/ Zhaluteqi Farmers’ Associationがフェアトレード大豆を生産しています。大豆のフェアトレード認証により、味噌や醤油、豆腐、納豆など様々な日本製のフェアトレード商品を作ることが可能になります。わかちあいプロジェクトは早速大豆を輸入しました。
すぐに国内の味噌、醤油製造業者に製造を委託し、味噌は2010年秋、醤油は2011年秋に販売します。
日本の伝統と職人技、フェアトレードと日本の”こころ”をこめて生み出した大豆製品です。
★原料:内モンゴル自治区産JAS有機フェアトレード認証大豆
国内産 JAS有機米、JAS有機麦 エリトリア産塩
豆味噌 麹菌と大豆だけで製造します。
麦みそ 麹菌と麦と大豆がおもな原料です。
米味噌 麹菌と米と大豆がおもな原料です。
★原料:内モンゴル自治区産JAS有機フェアトレード認証大豆 国内産麦、塩 ※現在は販売していません。
出来具合はとても良いです。蔵の中の諸味の中でも1、2番目に良い出来上がりでした。香りもよく、分析の結果、旨みの指標値も高いので良い仕上がりです。(2011.10.5)プロのお店の方からも、”大変おいしい醤油で、びっくりしました。”との評価をいただきました。
京都丹波の納豆屋さん、(株)ユーアンドミーの北畠さん(京都府亀岡市)のご協力により、フェアトレード大豆を納豆に加工し、販売しています。素材の魅力を引き出す製法を用いて、ご注文いただいてから、ほとんど手作業で、一つ一つ丁寧に作ってくれます。ふっくら大粒の納豆は、やわらかい食感をお楽しみいただけます。ご注文をいただいてから製造するため、納品はおよそ2週間が目安となります。賞味期限は製造後10日です。
「もっちりとして糸引きも強い良い納豆だと思います。大豆に力が有るように感じました。」製造してくださった北畠さんからコメントをいただきました。
京都で修業を積み、墨田区でお店豆源郷を開いておられる横井さんに製造をお願いしました。
最初は、国産の大豆でないので、うまく豆腐ができるか心配されていましたが、実際作ってみて、その良さにびっくりされた様子。大豆のよさを生かすために、にがりを少なく、豆の自然のあまさを生かして、絹ごし豆腐のおぼろに仕上げました。
大変美味しくてプリンを食べているような感じです。これにバニラを加えればお菓子になってしまいそうです。
※一回の仕込みにつき、5kgの大豆で40個の豆腐を製造します。金曜日に製造・配達、土・日・月の3日間が賞味期限です。個人への販売は行なっていません。
フェアトレード大豆をまるごと使用したドリンク
オカラを出さずに大豆をまるごと使用した、濃厚でクリーミーな大豆飲料です。大豆の栄養がそのまま入ったドリンクで、健康の維持やダイエットにも効果的です。
製造は、沖縄県那覇市の大豆製品のお店「大豆まるごと工房 ココレカ」。大豆の力に着目し、こだわりの豆乳や豆乳スイーツなどを製造販売しています。
※現在販売は行なっていません。